Profile




 大友直人(おおとも・なおと)
  (1958年5月19日〜)


 指揮者。(東京交響楽団常任指揮者、京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー、琉球交響楽団ミュージック・アドヴァイザー、東京文化会館音楽監督。)
 1958年5月東京に生まれる。桐朋学園大学卒業。指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、岡部守弘各氏に師事。タングルウッド音楽祭において、A.プレヴィン、L.バーンスタイン、I.マルケヴィッチからも指導を受ける。
 桐朋学園大学在学中からNHK交響楽団の指揮研究員となり、1981年に同楽団の推薦により『若い芽のコンサート』でNHK交響楽団を指揮しデビュー。同楽団には5年間籍をおいたあと、日本フィルハーモニー交響楽団正指揮者と大阪フィルハーモニー交響楽団の指揮者を兼任。その後1991年より東京交響楽団正指揮者、2004年には同楽団の常任指揮者となる。
 一方で1995年より京都市交響楽団正指揮者、1996年より京都市交響楽団首席指揮者を経て、2001年4月より常任指揮者、2004年より常任指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザーとなり今日に至る。
 また2000年春より創設された琉球交響楽団のミュージック・アドヴァイザーに就任、2001年3月には同楽団の設立コンサートを指揮、以来琉響のステージにもしばしば立つ。
 デビュー当時以来、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団、読売日本交響楽団等に次々に客演。以来今日まで在京オーケストラをはじめ各地のオーケストラの定期演奏会に出演。
 歌劇では1988年、日生劇場における「魔弾の射手」でデビュー以来、「オルフェオとエウリディーチェ」、「リゴレット」、「魔笛」等で大きな実績を積み、1997年には三枝成彰による歌劇「忠臣蔵」を初演。その後の2000年5月には愛知県芸術劇場において再演、2002年1月には新国立劇場にて再々演を行い絶賛を博している。また2001年10月には東京交響楽団定期演奏会での黛敏郎「古事記」(演奏会形式)を採り上げ好評を博した。
 1992年から自らのプロデュースによる「東京芸術劇場シリーズ」を開始。1996年(2000年にも再演)「クレルヴォ交響曲」(シベリウス)、1997年「ファウストの劫罰」(ベルリオーズ)、1998年「ペレアスとメリザンド」(シェーンベルク)、1998年「レクィエム」(初演。三枝成彰)、エルガーのオラトリオ・シリーズ「神の国」(2002年)「使徒たち」(2004年)「ゲロンティアスの夢」(2005年)など意欲的なプログラムを採り上げいずれも好評を博している。
 海外では1986年大阪フィルハーモニー交響楽団とはヨーロッパ公演、1992年東京交響楽団とはタイ・シンガポール公演、1994年ポルトガル公演、1996年ヨーロッパ公演、2001年トルコ・イタリア公演で絶賛を博した。また客演として2001年にはコロラド交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団などのオーケストラを振り、欧米での活躍にも大きな期待が寄せられている。その他2001年7月には、フィルハーモニア管弦楽団の日本ツアーで同オーケストラを指揮し、絶賛を博した。
 これまでに数多くのソリストと共演しているが、その中にはヴァイオリンのG.シャハム、A.デュメイ、F.P.ツィンマーマン、J.ベル、J-J.カントロフ、S.ミンツ、ヴィオラのG.コセ、Y.バシュメット、チェロのM.ブルネロ、D.ゲリンガス、ピアノのR.ルプー、A.ワッツ、B.L.ゲルバー、I.モラヴェッツ、J.-Y.ティボーデ、C.カツァリス、J.-F.コラール、C.オルティーズ、H.グリモーらが含まれ、ホセ・カレーラスのサポートでも絶賛を博した。そして常に多くのアーティストから再共演を要請されている。
 レパートリーは幅広く古典から現代音楽、ポピュラーにまで及ぶ。とりわけ三枝成彰や冨田勲など邦人作曲家の作品や、エルガーやヴォーン=ウィリアムズなど英国音楽の紹介に力をそそぐ点は他の邦人指揮者に抜きんでている。音楽ソフトの制作にも積極的で、数多くのアナログ盤、CDなどがリリースされている。
 2000年第8回渡邊暁雄音楽基金音楽賞を受賞。2004年7月には東京文化会館音楽監督に就任。



  

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